Web Creator Podcast Day 2026 出演台本
イベント:Web Creator Podcast Day 2026 持ち時間:24 分(冒頭 10 秒のジングルを含む) 出番:13:00 スタート(前回はトップバッター) 配信URL:(ポッドキャストとして配信したら記入)
進行と時間配分
マーカーの意味:▲=尺のため既定で落とす(余ったら戻す)/✂=本番で押したときに飛ばす
| 経過 | パート | 目安 |
|---|---|---|
| 0:00 | ジングル | 10 秒 |
| 0:10 | オープニング | 1 分 44 秒 |
| 1:54 | おはがき① ともみさん | 1 分 28 秒 |
| 3:22 | 回答①-1 ロールモデルを一人決めて,盗めるものを全部盗む | 1 分 25 秒 |
| 4:47 | 回答①-2 勉強は一生続く.ただし,楽しくやってほしい | 1 分 54 秒 |
| 6:41 | 回答①-3 若手カードは,今しか切れない | 1 分 54 秒 |
| 8:35 | 回答①-3(続き) その使い道が,LT 5 分 | 2 分 59 秒 |
| 11:34 | おはがき② ガチ太郎さん | 1 分 18 秒 |
| 12:52 | 回答②-1 僕は「強化系」.そして,学び方から学ぶといい | 1 分 37 秒 |
| 14:29 | 回答②-2 スキルは錆びる.だから,あえて非効率な世界に飛び込む | 2 分 29 秒 |
| 16:58 | 回答②-3 チャンスがあったら手を挙げる | 1 分 53 秒 |
| 18:51 | 回答②-4 ポッドキャストは,先に始めてしまう | 1 分 52 秒 |
| 20:43 | クロージング | 1 分 38 秒 |
| 22:21 | 終了 | 持ち時間まで 99 秒の余裕.押したら下の削り代で 106 秒ぶん逃げられる |
上の表は本文の ▲ を落とした状態.✂ は読む前提で積んである.
押したときの削り代(上から順に落とす)
- 回答①-2 の「エンジニアは問題を解決する生き物」の 1 段落(約 24 秒)
- 回答②-1 の「これ,一般的には良くない学び方です」の段落(約 20 秒)
- 回答②-4 の「始めても最初は再生数が回らない」の段落(約 25 秒)
- 回答②-2 の AI と地図と車のくだり,節の最後まで(約 45 秒)
逆に余ったときに戻す順番(▲ の中から)
- 回答①-1 の「先輩の開発環境/dotfiles を GitHub 管理」(約 25 秒)
- 回答②-3 の「手を挙げた理由には打算もありました」(約 40 秒)
- 回答①-2 の「好き嫌いはあっていい」以降,ご飯のたとえ(約 40 秒)
台本
0:10 オープニング
【ジングル 10 秒】
はい,どうもこんにちは.「雨宿りとWEBの小噺」始まりました.気づきの配達屋 Keethこと桑原です.
この番組では,普段気にも留めていなかったものに光を当てることで,世界の見え方が少し変わるかもしれない,そんな Web 業界の裏話や小噺をご紹介しております.
今回は番外編.昨年に続き今年もお声がけいただけました「Web Creator Podcast Day 2026」と言うイベントに参加しており,生放送で配信しております!
僕,前回もこのイベントに出させていただいたんですけど,そのときトップバッターだったんですよ.朝一番,まだ誰も温まっていない時間にマイクの前に座るというのは,なかなかの緊張感でして.今回はお昼の 1 時からということで,前のみなさんが場を温めてくださったあとに出られるので,正直かなり気が楽です(笑).
普段は「雨宿りとWEBの小噺」という番組で,Web テクノロジーの歴史とか,その裏側にある,ちょっとした小噺をご紹介しています.本業のほうは Engineering HR,いわゆる技術広報とか採用広報と呼ばれる仕事をしています.
で,今回なんですけど,ありがたいことに,おはがきを 2 通もいただきました.前回は 1 通だったので,倍です.これ本当に嬉しくてですね.正直,前回も 0 通かもしれないなと思っていたので,2 通あると知ったときは,ちょっと泣きそうになりました.送ってくださったお二人,本当にありがとうございます.
というわけで今日は,この 2 通を読んで,僕なりに答えていく 24 分にします.偶然なんですけど,どちらも「勉強」に関するお話でした.
1:54 おはがき① ともみさん
では 1 通目.ラジオネーム,ともみさんからいただきました.そのまま読ませていただきますね.
キースさん,こんにちは.イベントをご出演されるということで,イベントサイトを見たらフォームがあり,勢いでメッセージを送っています.私は 24 歳でまだエンジニア 1 年目なんですが,周りの先輩があまりにもすごくて.少しでも勉強せねばという思いから,キースさんのポッドキャストを見つけ,お聞きしています.まだまだエンジニアひよっこどころか,殻をかぶってるぐらいですが,エンジニアを目指すなら,これはやっておけ,はありますか.ぜひ大先輩のアドバイスを.イベントもお仕事も頑張ってください.
ともみさん,ありがとうございます.「ひよっこどころか殻をかぶってる」,この表現いいですね(笑).
正直に言うと,どう答えるかむちゃくちゃ悩みました.ともみさんは 24 歳で,僕から見ると一回り以上も下の方です.大先輩と呼んでいただけるのは光栄なんですけど,ちょっと気恥ずかしくもありまして.期待に沿えるかは分かりませんが,今の僕が思っていることをそのままお話しします.
答えは 3 つあります.
3:22 回答①-1 ロールモデルを一人決めて,盗めるものを全部盗む
まず 1 つ目.周りの先輩がすごい,という状況にいらっしゃるなら,これはむしろ最高の環境です.なので,その中からロールモデルになる先輩を一人,決めてしまうのがいいと思います.
決めたら,その人から盗めるものを片っ端から盗みます.できるときはどんどん質問する.ただし何も考えないまま聞くのは良くないです.たぶん先輩の中で「この子は考えない子だ」という評価がつくので,自分で考えてから質問する癖はつけたほうがいいですね.
で,何を盗むかなんですけど,仕事の進め方とかタスク管理とか,コミュニケーションの取り方は当然として,僕がおすすめしたいのは開発環境です.
ターミナルとかシェルの設定とか,エディタとか,先輩は先輩なりに,自分に最適化された環境を必ず作り込んでいます.そこには理由があるはずなんですよ.「なんでこの設定にしてるんですか」と聞くと,だいたい過去の失敗談とセットで返ってきます.そこが一番おいしい.
▲ 既定で落とす(約 25 秒).この段落まるごと.余ったら戻す
ちなみに僕は設定ファイル一式をプライベートの GitHub で管理していて,パソコンを買い替えてもそこから環境を再現できるようにしてあります.やり方は何でもいいんですけど,こういう「自分の環境をどう作るか」という発想自体を盗んでほしいですね.
大事なのは,先輩のどこがすごいのかを自分の言葉にすることです.「なんかすごい」で止めない.言語化できたものは盗めます.できないものは盗めません.
4:47 回答①-2 勉強は一生続く.ただし,楽しくやってほしい
2 つ目.身も蓋もないんですけど,勉強はずっと続きます.
僕より遥かに上の,30 年エンジニアをやっていて今も現役という方が,世の中には普通にいらっしゃるんですよ.そういう方々が,今も新しいツールや技術をキャッチアップして,それで何ができるか,何が解決するかを考え続けている.それを見ていると,エンジニアになった以上は生涯勉強し続けるというのは,もう前提なんだなと思います.
ただ,ここからが本題です.無理して勉強してほしいとは,まったく思っていません.
コンコンに詰めて勉強した結果,「技術が面白くない」「エンジニアリングが楽しくない」となってしまうのは,僕は本当にもったいないと感じます.技術は楽しいものだと思っているので.
僕の中で最強の人って,楽しんでいる人なんですよ.楽しんでいる人は,努力を努力だと思っていない.同じことをやっていても,マインドセットの差で消耗量がまるで違います.ここの差は,長い目で見るとめちゃくちゃ大きいです.
もちろん,楽しくないと意味がない,とは言いません.食べていける武器を作るのは一つの正解ですし,僕自身その目的でこの世界に入りました.ただ,「エンジニアリングが嫌いだ」となるくらいなら,そこまで詰めなくていいと思います.
▲ 既定で落とす(約 40 秒).この段落まるごと.余ったら戻す
あと,好き嫌いはあっていいです.僕にも嫌いな言語はあります.でも,やってみると自分の中になかった発想とか設計思想がインストールされて,結果的に技術力の底上げにはなるんですよね.ご飯と一緒だと思っていて,体にいいものって,だいたい苦かったり,えぐみがあったりするじゃないですか.あれと同じで,健康のために食べておく,くらいの距離感でいいと思います.
✂ 次の 1 段落,押したら飛ばす(約 24 秒).カットした「道は 2 つ」から拾った一言
そもそもエンジニアって,技術を使って問題を解決する生き物なんですよね.だとすると,分野で自分を縛る必要は本来ないはずなんです.必要になったらキャッチアップして解決する.それがエンジニアリングなので,学ぶものはそのときどきで決まっていくんだと思います.
6:41 回答①-3 若手カードは,今しか切れない
3 つ目.ここは,僕が若い方に会うと必ず言っている話です.
ともみさんは 24 歳でエンジニア 1 年目ということは,若手カードを持っているということなんですよ.新卒のときの新卒カードが最強なのは間違いないんですけど,20 代前半の若手カードも,威力はまだまだ抜群です.
どういうカードかというと,失敗が許されるカードです.いろいろチャレンジして失敗しても,「まだ若いしな」「経験値が浅いからな」と見てもらえる.裏を返すと,会社のリソースを使って学習し放題の期間なんですよ.
こう言うと会社を利用するみたいで,聞こえが悪くなっちゃうんですけど(笑).そうじゃなくて,実践の場で大手を振って失敗できて,しかもチャレンジもさせてもらえる環境って,本当に今しかないんです.なので,たまには背伸びして動いてほしいなと思います.
コツが 1 つあって,やる前に話をすることです.これを本気でやったらこうなって,こういう結果が得られて,自分としてもチームとしてもこういう学びが残る.そこまで語れる仮説とプランを持って相談すれば,チャレンジさせてくれる会社は,たぶん結構多いはずなので.
ジュニアのうちは,早く失敗して,早く成長して,早く戦力になることが至上命題だと思っています.しかも,手の届く範囲じゃなくて,背伸びしないと届かないところで失敗したほうがいい.若いうちは会社が傾くような失敗はまず任されないので,いくらでも失敗していいんですよ.
8:35 回答①-3(続き) その使い道が,LT 5 分
で,この若手カードの,僕が思う一番いい使い道が,外で喋ることです.
若いうちにもう 1 つ絶対やっておいてほしいのが,パイプを作ることなんですよ.人とのつながりです.これ,長い人生で,あとになればなるほど効いてきます.コミュニティでも勉強会でも何でもよくて,友達とまではいかなくても,お互い名前とブログは知っている,くらいで十分なんです.
その中でも効果が抜群なのが,登壇です.LT,たった 5 分でいいので,勇気を出して挑戦してほしい.
理由は 2 つあって,1 つは学びの密度が変わるからです.登壇するとなったら,まず自分が勉強しますよね.話す内容を整理しないと喋れないので.普段のキャッチアップと,人前で喋る前提のまとめ方って,質が段違いなんですよ.
もう 1 つが,さっきのパイプです.喋ると,向こうから来てくれます.「SNS 繋がらせてください」とか,懇親会で「あの話を聞いてこう思ったんですけど」と,ちょっと突っ込んだ質問が返ってきたりする.それも学びになりますし,分からないときは「すみません,分かりません」と正直に言っちゃっていいです.それが許されるのも,若手カードなので.
たぶん 1 回目は,うまく喋れなかった,恥ずかしかった,と思います.僕もそうでした.でも,それが大事で,1 回 2 回恥をかくと,3 回目からハードルがぐっと下がるんですよ.しかも,意外と聞いている人はそう思っていないです.「めちゃくちゃ良かったよ」「初めてには聞こえなかった」って,わりとポジティブなフィードバックをくれます.自分が思っている以上に,響いているものなので.
ハードルを下げる小技も 1 つ.冒頭で「これが初めての LT です」と言っちゃうことです.すると,会場の目線が急にあたたかくなります(笑).これは僕も経験しました.
5 分なんて,やってみると一瞬で過ぎます.一回の登壇で得られるものは,想像の数倍あります.そうやって輪を広げておくと,思ってもみなかった機会が訪れる確率が,本当に変わるので.
改めて 3 つまとめると,ロールモデルを一人決めて盗み続けること,勉強は一生続くけれど,楽しくやること,そして若手カードが効くうちに,背伸びして,外で喋ること.ともみさん,ありがとうございました.
11:34 おはがき② ガチ太郎さん
では 2 通目.ラジオネーム,ガチ太郎さんです.
キースさん,はじめまして.ポッドキャストは聞かせていただいているのですが,今回初めて投稿してみます.イベントの中で読まれるかもという淡い期待からですみません.キースさんは今のスキルや立場に至るまでに,どんな勉強をしてきたんでしょうか.キースさんほどのスキルとかキャリア,あとこうやってポッドキャストで配信を続けている姿は結構僕の憧れなのですが,どれくらいの勉強をしてきたらそうなれるのかと思って投稿しています.言える範囲でいいので,ぜひ教えてください.
ガチ太郎さん,ありがとうございます.「読まれるかもという淡い期待」,いえいえ,むしろどんどん送ってください.本当に嬉しいので.
かなり大きく評価していただいていて光栄なんですけど,同時にすごく気恥ずかしいですね.いただいた質問が 3 つあるので,順番にお答えします.どんな勉強をしてきたか,スキルとキャリアの話,そしてポッドキャストの話です.
12:52 回答②-1 僕は「強化系」.そして,学び方から学ぶといい
まず,どんな勉強をしてきたか.
とある漫画の言葉を借りると,僕はいわゆる強化系です.一つのことを愚直に,順番に,一個ずつ積んでいくタイプ.並行して何かを学ぶのが本当に苦手なんですよ.
しかも学び方が,完全に実践から入るタイプでした.体系的に学んでいないんです.いきなり戦場に放り込まれて,その場でやらなきゃいけないことを身につけて,あとから「あ,これってこういうことか」「先人はここをちゃんと抽象化して,こういうフレームワークにしてたのか」と気づく.順序が逆なんですよね.
✂ 次の段落まるごと,押したら飛ばす(約 20 秒)
これ,一般的には良くない学び方です.先人が整理してくれた理論や手法があるので,先にそれを学ぶほうが絶対に効率がいい.僕は今も非効率なほうをやっている節があります.
ただ,僕にはこのやり方の相性が良かった.で,ここが今日一番お伝えしたいところなんですけど,だとすると最初にやるべきなのは,自分に合う学び方を探すことなんじゃないかと思うんです.
学び方を学んでおくと,これ,一生使えるんですよ.エンジニアリングに限らず,人生のあらゆる場面で使える.学習法なんて世の中にいくらでも転がっているので,片っ端から試して,自分に合うものを見つける.遠回りに見えて,これが一番効きます.
14:29 回答②-2 スキルは錆びる.だから,あえて非効率な世界に飛び込む
2 つ目.具体的に何をしてきたかというと,結局のところ,書いてきたんですよね.エンジニアは書かないと学べない,というのが僕の実感です.
僕は JavaScript が一番好きで,人生で一番書いた言語も JavaScript です.次が PHP,その次が日本語かもしれない.いや,さすがに日本語のほうが多いか(笑).
それくらい書いたので,今でも何も見ないでコードを書けと言われれば書けます.ちなみに TypeScript は,恩恵もメリットも十分理解しているつもりなんですけど,好きか嫌いかで言うと僕は嫌いなので,絶賛 AI に頼りながら書いています(笑).
ただ,怖い話もありまして.仕事でコードを書かなくなって久しいんですけど,そうすると他人のコードをレビューする速度が,はっきり落ちたんですよ.精度も下がった.実際にプロジェクトに入って書こうとしたときに,「あ,書けなくなってる」と感じたこともあります.
つまり,スキルは錆びるんですよね.使っていないものは,確実に衰えていく.
✂ ここから節の最後まで,押したら飛ばす(約 45 秒).「スキルは錆びる」で切って次へ
ここで最近すごく思っているのが,AI との距離感です.技術とツールはものすごい勢いで進化していますけど,人間の脳みそは進化していない.むしろツールが便利になりすぎて,退化していると思っているくらいです.
僕はこれを,地図と車で考えています.学ぶ世界の大枠を知るために地図を見るのは,全然いい.むしろ見たほうがいい.でも,その地図の上を歩くところは,自分の足で歩いたほうがいい.そこを車でブーンと行ってしまうと,たぶん身につかないんですよ.しかも今は,お金を払えば払うほど高性能かつ高速な車に乗れてしまう時代ですし.
一気に便利に学んだものって,使わないと一瞬で忘れます.結局,脳に負荷をかけていないものは身につかない.なので,あえて非効率な世界に飛び込んで学ぶというのが,今の僕の見立てです.これは異論も反論もたくさんあると思いますけど.
16:58 回答②-3 チャンスがあったら手を挙げる
3 つ目,スキルとキャリアの話です.これはもう一言で,チャンスがあったら手を挙げる.これに尽きます.
さっきともみさんに若手カードの話をしましたけど,これは僕自身がそのカードを切った話でもあります.
前職のゆめみという会社に,「チャレンジ取締役」という人材育成の制度がありました.手を挙げたら役員になれるかもしれない,という制度です.もちろん取締役会でちゃんと審議されるので,手を挙げれば必ずなれるわけではないんですけど,少なくとも俎上には乗る.
僕は 1 年目,正直にひよって出せませんでした.2 年目にちゃんと手を挙げて,応募して,就任させていただきました.
なってからが本当に大変で.取締役会と経営会議が毎月あるんですけど,最初の半年はほぼ何も発言できませんでした.ただの置物です.苦しかったですよ.「なんて世界に飛び込んだんだ」と本気で思いました.
でもおかげで視座が変わりました.未来のことをちゃんと考えるのが癖になった.これは本当に大きかったです.
▲ 既定で落とす(約 40 秒).この段落まるごと
手を挙げた理由には打算もありました.当時,会社のエンジニア採用を加速させたかったんです.逆求人イベントに行くと,他社さんはボードメンバーの方が平然と出てくる.そこに無名の会社の肩書きもないエンジニアが行っても,正直勝負にならないんですよ.せめて看板だけでも持っていないと,戦う土俵に上げてもらえないな,という自覚がありました.
それと,これはぜひ持って帰っていただきたい言葉なんですけど.僕が新卒の就活のとき,大きな採用イベントで,DeNA の南場さんや脳科学者の茂木さんが登壇されている回に参加したことがあって.そこで最後に出てきた言葉が,「根拠のない自信と,それを裏付ける努力」でした.
これ,今でも自分の中に残っています.新しいことに飛び込むときって,自信なんてないんですよ.でも「やります」と言う.ある種の見栄です.言ったからには,裏で実現するために頑張る.この順番でいいと思うんですよね.
18:51 回答②-4 ポッドキャストは,先に始めてしまう
最後に,ポッドキャストの話です.「どれくらい勉強したらそうなれるのか」という質問でしたけど,答えは逆でして,先に始めてしまうです.
僕の番組はナレッジ系にカテゴライズされると思うんですけど,勉強してから喋っているわけじゃないんですよ.毎回リサーチして,裏を取って,台本に起こして,それを喋っている.つまり,喋るために勉強しているんです.
ポッドキャストをやると決まっている.次の台本を用意しなきゃいけない.だから調べる.この順番なんですよね.勉強してから喋るのではなくて,喋りながら勉強するに近い.なので,先に始めてしまうのが一番早いです.
さっきの LT の話とまったく同じで,話し方とか機材とか,学べることはいくらでもあるんですけど,結局やらないと身につかないんですよね.
僕,2020 年の 3 月に始めたんですけど,最初の回は本当にひどいです.今聞いても撮り直したいレベルで.でも,その積み重ねがあって今があるはずなので.
✂ 次の段落まるごと,押したら飛ばす(約 25 秒)
あと一つだけ.始めても最初は再生数が全然回りません.僕も一回へこみました.でも,数字が欲しくて始めたわけじゃないですよね.何か目的があって,発信の手段としてポッドキャストにたどり着いているはずなので.そこに立ち返れるなら,再生数は気にせず,まず続けることです.
今ならスマホ 1 本で始められます.見直しもブラッシュアップも,始めてからやればいいと思います.
ガチ太郎さん,ありがとうございました.
20:43 クロージング
はい,というわけで,2 通のおはがきにお答えしてきました.
こうやって並べてみると,2 通ともまったく違う質問だったのに,僕の答えは同じところに着地したなと思っていて.手を動かした量が,そのまま自分に残るということと,楽しんでいる人が結局いちばん強いということ.そしてもう 1 つ,その手を,できるだけ外に向けて動かしたほうがいいということ.LT でもポッドキャストでも何でもいいので.この 3 つでした.
ともみさん,ガチ太郎さん,おはがきありがとうございました.本当に嬉しかったです.今日この場で読ませていただけて良かったです.
この番組,面白かったよという方は,ぜひチャンネル登録もお願いします.
もし聞いていて気になることや,話してほしいトピック,感想などございましたら,X でハッシュタグ「web小噺」でつぶやいてください.web はアルファベット,小噺は漢字でもひらがなでも大丈夫です.
Web Creator Podcast Day 2026,このあとも素敵な出演者の方が続きます.みなさん,この後の配信もお楽しみください!
それでは,また雨宿りしに来てください.今回もお聞きくださり,ありがとうございました.「雨宿りとWEBの小噺」,お相手はキースでした.バイバイ.
カットした節(本番では読まない)
尺と,締めの難しさ,そして「この道は結局 AI に食われていくのでは」という見立てから, 回答①-3 として用意していた「一点突破か,幅を取るか」を丸ごと落とした. 単独で 1 本のエピソードにできる分量なので,通常回のネタとして残しておく.
(未使用)道は 2 つある.一点突破か,幅を取るか
じゃあ何を勉強するのか,という話です.ここは正直に言うと,まったく逆の道が 2 つあります.
一つは,一点突破です.分野を絞って,そこだけを深く掘り続ける.これは,それ自体が超強い武器になります.しかも僕は,AI がこれだけ出てきたご時世でも,この道はそんなに揺るがないと思っているんですよ.本当に深いところにいる人というのは,やはり稀有なので.
ただ,潰しは効きません.上には上がいます.リスクのある強みです.そこを分かった上で選ぶなら,僕は全然どうぞ,と思います.
もう一つは,幅を取る道です.手札を増やす,という考え方ですね.
僕が思う良いエンジニアって,手札をたくさん持っている人なんです.不確実な問題とか,今まで見たことのない課題にぶつかったときに,手札が多ければ多いほど,切れる手が増える.解ける確率が単純に上がるんですよね.だから僕は,学べるものは何でも学んだほうがいいと思っています.
正直に言うと,僕は本当は一点突破のほうに行きたかった側の人間です.でも,行けなかった.なので幅を取る方向に切り替えました.生存戦略ですね.技術は好きなんですけど,それ以上に喋ることのほうが好きだった,というのもあります.
で,幅を取るならどう学ぶか.Web の世界はざっくり,フロントエンド,バックエンド,クラウドインフラの 3 つです.ただ僕がおすすめしたいのは,この切り方ではなくて,アプリケーションのコード,データベース,ネットワークとクラウドインフラ,この 3 軸です.コードはフロントでもバックでもどちらでもいい.この 3 つをやると,結果的にフルスタックとかフルサイクルに近づいていきます.
ちなみに僕はインフラがマジで苦手すぎるので,今まさに AWS を勉強中です.しんどいですけど,やっぱり楽しいですよ.新しい手札が増えて,「あ,これあそこで使えるじゃん」と切れる瞬間があるので.
ここまで話しておいて最後にひっくり返すんですけど,そもそもエンジニアって,技術を使って問題を解決する生き物なんですよね.だとすると本来,分野で自分を縛る必要はないはずなんです.必要になったらキャッチアップして解決する.それがエンジニアリングなので.
なので,一点突破も,幅を取るのも,どちらも正解です.好きの一点突破は,たぶん茨の道ですけど,一番自分が納得しやすい道でもあります.どちらを選ぶかは,ともみさんの自由です.